当て逃げ動画顛末記 終幕

ネット動画投稿サイトに映像、当て逃げ男を書類送検
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070802i304.htm


 乗用車を運転中に当て逃げしたとして、警視庁竹の塚署は2日、埼玉県川口市在住で自動車修理会社の元従業員の男(29)を道交法違反(安全運転義務違反など)の疑いで東京地検書類送検した。


 この事故をめぐっては、被害者がインターネットの動画投稿サイトに事故当時の映像を出したのをきっかけに、男の個人情報がネット上に出回り、勤務先に抗議電話が相次ぐなどの異常事態になっていた。


 調べによると、男は昨年10月26日夜、東京都足立区入谷の都道で乗用車を運転中、並走していた都内の男性会社員(31)の乗用車の前に割り込もうとして接触し、そのまま逃走した疑い。


 同署は、被害車両に設置されていた車載カメラの映像をもとに、加害車両を特定。所有者の男は当初、「車を修理中の客に貸していた」などと容疑を否定していたが、最終的に、自分で運転して事故を起こしたことを認めたという。


 一方、被害者の男性会社員は今年6月、事故当時の映像を動画投稿サイト「ユーチューブ」上で公開。その後、車のナンバーから割り出されたとみられる男の氏名や住所、勤務先の自動車修理会社名などがネットの掲示板に書き込まれ、会社に抗議の電話が相次いだことから、同社は6月中旬、男を解雇していた。


(2007年8月2日12時13分 読売新聞)


参考リンク
当て逃げ動画顛末記 (6/28)


件の動画
http://www.youtube.com/watch?v=0rRENCwn3gw


警察は一ヶ月かけて、やっと、被告を落とした (自白を引き出した) という事なんでしょうね。
捕まった男も正直にしてれば、職を失うこともなく、書類送検されることもなく済んでいたのでしょうが、因果応報、自業自得ですね。同情の余地は全くありません。


この事件自体はこれで終わりなのでしょうけれども、色々と示唆に富んでいる事件であります


1. 犯罪者(当て逃げ犯)だからといって、ネット上に個人情報を晒して良いの?
2. 警察が当てにならないからと言って、動画を公開するのはどーなのよ?
3. この事件を受けて、警察はどーなのよ? 市民をバカにしたようないい加減な対応止めてくれる?


上記のような点で、多くのブロガーさんが持論を展開し、それぞれに頷ける点があったり無かったりします。


私としては、基本的には、「警察がまずしっかりせぇ〜よ」 という大前提からずれたくないですね。警察が真面目に対応していればこの騒動は防げたわけですから。(もちろん、リソースの問題は問題として承知していますが)


問題は警察が動いてくれない場合、被害者はいかにして自分利益を守るか。と言うことでしょう。
証拠の動画を公開することが、自分の利益を守るための妥当な行為だと言えるのか? 今回の場合、私は言えると考えますが、それは半年以上にわたって被害者が警察の対応を求め、性急に動画を公開しなかった態度が判断材料でしたね。
ただ、公開された動画から当て逃げした車のナンバーを割り出し、個人情報を調べ、それをネット上に公開したのはどーだったか。たしかに、個人情報が晒されたことによって、騒動が拡大し、警察も無視できない状況になり、その結果解決したという経緯を考えれば、一件正当化できそうな気がしないでもありませんが、ナンバープレートから個人情報を調べた時点では、単に、車の所有者が分かったに過ぎませんから、所有者を当て逃げ犯であるかの如く晒しあげるのは、やっぱり行き過ぎではないかと。


ただ警察が動かない状況で 「泣き寝入りかよ」 というもの変な話なんですよねぇ〜
個人情報がどーのとか、ネットがどーのというのは、その問題を個別に見ていけば確かにその通りですが、大前提として、警察がしっかり捜査するなり対処するなりしてれば、それらは起こり得ない事ですから、個人情報云々とかいう議論の前に、「警察しっかりしろ。警察がしっかりしなければ、こんな事何度も繰り返されるぞ」 という大前提をふまえた上で議論して欲しかったりします。


ドラマの中では正義を守るヒーローだったりする警察も、実際はヒトゴトで仕事している警官が多いからね。


ちなみに、私は一つ、この事件に関して気になることがある。
この事件を担当した警官は、なんからの処分を受けるんでしょうねぇ。


自分の仕事のいい加減がこんな騒動になったんだから、無罪放免なんて事はありませんよね。
私はそれが知りたい