「感じ悪い」 のはお互い様?


本宮ひろ志氏作の漫画 「国が燃える」 の南京大虐殺が問題になってから、なんだかんだで関心が高まっている南京大虐殺

「あった」、「なかった」 ・・・。とりあえずそれはいいですよ。
それは個々人が自分の興味と関心に応じて歴史的事実の認識、史観の構築を行えばよろしいのですから。

ただね、先頃こういうページを見つけまして

眺 blog::TIAO 「南京大虐殺はなぜあってはならないのか」
http://blog.readymade.jp/tiao/archives/000904.html

まぁ、お粗末な考察なんですが (そー言うこといっちゃダメですか?)、文末の結びの言葉はこのようになっております。
昭和二十年八月十五日以降、連合国軍の日本進駐までかなり時間があるのだが、この間に大量の機密文章が焼却、破棄されたようだ。当然その中でも日中戦争の開戦と南京事件、そして真珠湾攻撃関連のものは真っ先に消されたらしい。

断罪されるべきは誰か。
なるほど。そー言うことが言いたいのか。と。
しかしながらおかしい。私はそれなりに勉強しているつもりなのですが、機密文書の遺棄、焼却などについて、それを証言した人の存在も知らないし、また、それを指示した命令書などの類も知らない。東京裁判の裁判記録にも、こうした機密文書遺棄、証拠隠滅で起訴されり有罪判決を受けた人も知らない。

日中戦争の開戦と南京大虐殺、そして真珠湾ですか。
陸軍、関東軍、海軍、外務省などなど関係部署それぞれの機密文書は相当数に及ぶはず。本当に遺棄・焼却されたのであれば、これほど大規模な証拠隠滅だから何かした遺棄した証拠、証言も見つかりそうなものである。

ドイツ第3帝國と異なり、日本においては政治機構まで破壊されての敗戦ではなかったから、統一した指揮系統下での証拠隠滅は不可能ではないかも知れない。蓋然性はなきにしもあらずである。
しかし、その証拠を私は知らない。
なので聞いてみた。
> 昭和二十年八月十五日以降、・・・・・・・真っ先に消されたらしい。

何か具体的な論拠、証拠があっての記述でしょうか?
そうであるならば、論拠、証拠を教えていただきたい。

私の質問に解答は頂けなかった。
解答が頂けなかったどころか、投稿したコメント自体が削除されてしまった。

はてな

醜悪な個人攻撃をする意志は毛頭ありませんが、南京大虐殺が 「あった」 にせよ、「なかった」 にせよ、こうした歴史考証の場で、自分にとって都合の悪い意見を抹殺して自分の意見の正当性を演出するなどと言うことが、いかに愚劣なことか、歴史を云々する前に、自分自身を省みた方が余程いいだろう。と思った次第です。

所感を申し上げれば、多分 「真っ先に消されたらしい」 云々は、筆者の推測、憶測なのかもしれませんね。私も随分捜したのですが、証拠らしきものは見つからないし・・・。
私が知らないだけならば、誰かに教えていただきたいので、知っている方はどうぞお知らせくださいです。


川o・-・) < 感じ悪いのはお互い様じゃない?

まぁ、そうなんだけど、状況証拠とか蓋然性とか推測、憶測だけで話をするのは、歴史考証じゃないんだよね。

なんていうか、どうもね、様々な角度から歴史考証を重ねて、論証を重ね、その結果、このような結論が導き出される。というスタンスの思考ではなく、まず結論ありきの考証で、その結論に対しては一分子の疑問もないのでは本末転倒も甚だしいと言わざる負えない。

南京大虐殺はなぜあってはならないのか」 じゃなくて、「南京大虐殺はなぜなくてはならないのか」 にタイトルを変更した方がいいんじゃないか?



南京大虐殺」 についてはとりあえず 「よくわからない」 スタンスで考えています。
大規模な市街戦、都市攻略作戦であれば、WWIIのスターリングラードや今現在のファルージャを見てもわかるとおり、民間人の死傷者が出ることは間違いないでしょう。
南京陥落後、日本軍の軍旗の緩みから、民間人への暴行、略奪、強姦なども行われたでしょう。実際、南京安全区国際委員会は、日本軍の犯罪に関して抗議を行っています。(殺人 49件 傷害 44件 強姦 361件 連行 390件 掠奪その他 170件。集計期間 1937/12/12 〜 1938/2/7。南京陥落は1937/12/13)
しかしながら南京安全区国際委員会の委員長ラーベ氏は、日本軍の南京統治に関して感謝状を贈ってもいる (極東国際軍事 (東京) 裁判速記録210号)。
が、 「ラーベの日記 (邦訳 南京の真実)」 では日本軍の行為を非難している。
まぁ、色々と矛盾点、論点も多いわけです。

そのそも戦闘による死傷者と、犯罪行為による死傷者は別物だし、日本軍による南京攻略がどのような作戦行動であったかも矛盾点、論点が多い。
更に、虐殺されたとされている中国軍捕虜云々についても便衣兵 (ゲリラ兵) の扱い、認定に論点がある。ちなみに、便衣兵の処刑は戦時国際法上不法ではない。

現在進行中のイラク戦争においても、アメリカ軍がイラク市民へさえも銃を向けねばならぬ状況を生みだしているのはゲリラ兵 (便衣兵) を恐れてのことである。ここで言うゲリラ兵 (便衣兵) とは、軍服を脱ぎ、一般市民と同じ格好をして市民の中に紛れ、不意に攻撃を加えるテロリストであり、正規軍とは同等には扱われない。
ゲリラ兵 (便衣兵) の行うテロ行為 (ゲリラ戦術) が、逆に無辜の民間人を危険にさらす結果を招来することは必然です。兵士は、保護し、人道を持って接しなければならない市民に対するときも、常にゲリラ兵からの攻撃に備えなければならないから。
ちなみに、この、戦時国際法上違法行為であるゲリラ兵による攻撃を、抗日活動において戦術の主幹に据えて行動したのが中国共産党です。
こうなると、無辜の民衆である中国人民を、より主体的に戦火に巻き込んだのは日本軍であったか中国共産党軍であったかは、それこそ史観が試されると言って良いでしょうね。なんせ日中戦争の契機となった蘆溝橋事変の真実さえも良く分からないし・・・
参考: ウィキペディア (Wikipedia) 「盧溝橋事件」

「あった」 にしろ 「なかった」 にせよ、一歩一歩考証と論証を重ねることが大切だと思います。

みんな落ち着け!!