おいおい・・・ その2
今日になっても自民党憲法調査会の憲法改正大綱の原案は自民党の公式にUPされていないです。 ああ、原案見たさに、何度、あの軽薄な面を見せられたことか・・・。ブルーだ!!
って、まぁ、それはそれでいいんですけどね。
私の実家は新潟県。
今から15年ぐらい前から北朝鮮の工作船による邦人拉致の話は聞いていました。あの頃から比べればメジャーな問題になってなによりだと思っています。
日朝実務者協議が不調に終わり、提供された写真も偽造の可能性が高いなどと報じられ、各所で経済制裁容認論が台頭しつつあります。(はぁ〜)。私は相も変わらず経済制裁には反対です。
安保理制裁は「宣戦布告」- 北朝鮮国連大使 (2003年1月11日 世界日報社)先日も引用したコトなのですが、経済制裁を主張し、それを疑わない人は、これが戦争への道になるかも知れない可能性を考慮して言っているのだろうか？。または、そのリスクを国民に十分説明しているのだろうか？。私には甚だ疑問だ。
【ニューヨーク10日池本拓】 北朝鮮の朴吉淵国連大使は十日、国連本部で記者会見し、核拡散防止条約 (ＮＰＴ) 脱退に関連し、国連安全保障理事会が北朝鮮に対して経済制裁を科せば「宣戦布告」とみなすと明言した。ただ、そうした際にどのような行動を取るかは「状況によって変わる」とも述べた。
仮に戦争に発展する可能性を考慮していたとして、その戦争よって北朝鮮を屈服せしめるだけの戦略を持ち合わせているのだろうか。
負けない戦はできるかも知れない。しかし、北朝鮮本土を攻略する作戦を実行するだけの能力がない以上、戦場は日本近海と本土に限定されるだろう。
仮に米軍の参戦があり、北朝鮮に勝利することが可能だったとする。しかし戦争には難民の発生が付き物。北朝鮮難民の発生は、東アジアの政治的安定を阻害する要因になる。無論それらの難民は日本にもやってくる。難民の受け入れは？。増加が容易に想像される難民の不法入国への対処は？。治安の悪化、経済の悪化、失業率の上昇に対する対策は？。
経済制裁の先にある、可能性としてのリスクをどのように考え、どのような対応策を用意しているのだろう？。甚だ疑問で疑わしい。
「私は戦争怖さに拉致されたとされる方々を人身御供にしろ」 を主張しているわけではない。拉致された人々は無論解放せねばならないと思う。要は、やり方 (圧力のかけ方) の問題なのだ。
私が最も有効と信じる圧力のかけ方は、この問題に関する国際世論を作り上げることだ。世界中のより多くの人にこの問題を知ってもらい、我が国の対応も知ってもらい、その上で国際世論を築き上げ、北朝鮮に対して、「国際社会からの孤立」 という圧力をかけることだ。
日本一国の経済制裁を発動するよりも効果的だろう。
しかしながら、それで万事が解決するなどとは思ってはない。
拉致された人々の解放が、機密情報の漏洩に繋がる可能性がある以上、機密情報とされるモノの価値が消滅しなければ (つまり、北朝鮮の国家体制の崩壊以外に) 完全解決の道はないと考える。(まぁ、多くの人が指摘する点だ)
現在の北朝鮮の国家体制は金正日によって保たれているわけだから、キーマンは金正日だ。
彼をどう追いつめるかが問題だ。
まず大前提として、彼が 「死なばもろとも」 と思いこむような追いつめ方は戦争に繋がるのでよろしくない。追いつめるにしても、同時に逃げ道を与えなければならない。・・・というか、こちらの用意した、こちらにとって都合のいい"逃げ道"へ、彼をどのように誘導するかが問題なのだ。
では逃げ道とはどこか。異論もあるだろうか、私は彼の生命と財産の保証だと考える。
北朝鮮国家の存続は難しい。諸外国からの効果的な支援も見込めない。国内の不安は高まるばかり・・・。このままではチャウシェスクの二の舞になりかねない。そういうプレッシャーを与えられる環境を整備する。そうすれば、生存するための唯一の手段として政治亡命を果たし、生命と財産が保証される道を選ぶだろう。
彼のような"悪い悪い"独裁者は、他人の命は虫ケラのように扱うが、自分の命だけは惜しむ。
CIAなり内調などがプロファイリングしているだろうが、少なくとも彼は、イデオロギーのために自殺できるような誇り高い人物ではなかろう。名より命を惜しむだろう。
だからこそ、その方向に彼を追い込み政治亡命させる。その上で新政権と取引をすればよい。
絵空事であろうが、経済制裁よりはナンボかましなオプションだろう。
問題は、拉致被害者やその家族の年齢なども考えあわせると、この問題の解決が時間との駆けっこになっていることが気がかりだ。早期に解決を成し遂げたいのが人情だから。
しかしながら経済制裁により戦争が引き起こされ、米軍の参戦もあって北朝鮮の敗色濃厚となれば、単純な復讐心なり、単純な嫌がらせのために、金正日が拉致被害者の殺害を指示しないと言い切れるだろうか。
経済制裁は、効果的な戦略であるかのように宣伝されているが、その効果は甚だ疑わしいどころか、とてもリスクの高い方法であるように思われる
