闇が深くなるのは

「闇が深くなるのは 夜明け前だからこそ」 というヤン ウェンリー元帥の言葉がある。
(出典 銀河英雄伝説)
注: アーレ ハイネセンの引用 (てってけさんの指摘を受け追記)

壁を勢いよく殴れば拳も痛い。でも、ゆっくり殴れば痛くも痒くもない。
こー言うのは大体同じ。同じコトを主張するにしても、攻撃的に主張すれば相手の反発も買う。でもゆっくりと、相手の立場も尊重しながら言えば同じ主張をしたって丸く収まることもある。

現在の社会状況をアバウトに見てみよう。色々なところで色々な問題が起きている。それは戦後半世紀以上、この国が先送りして問題が腐って、膿んで溜まった膿であり、汚泥だ。そういう問題が良く目に付く。憲法9条と安全保障の問題もそうだし、拉致問題もそう。人権擁護の問題もそうだろうし領土問題もそうだろう。脱東京裁判的史観の流れもそうかも知れない。こうした膿、汚泥が一気に溢れ出せばそれらに対する反発・反感、改善意欲・要求も当然強くなる。
しかし膿や汚泥が一気に吹き出し、なおかつ諸問題に対する具体的な解決策が提示されず、恐れと危機感だけが高まれば、そのとき人は未来に対して希望を持つことが出来ずに、社会が闇に包まれるていくかのような絶望を覚えるのかも知れない。しかし、急速に吹き出せば反発も強い。振り子が勢いよくスイングバックするように。スイングバックする力は問題の解決へと向かうパワーである。そして闇が深くなるかのように感じる時期とは、スイングバックするための力を溜めている時間なのかもしれない。
それらの状況を比喩して「闇が深くなるのは夜明け前だからこそ」 と言っているのだろう。要するにそう言うことだと解釈している。