どーも居心地が悪いわけなんだけど

安倍ちゃんの辞意を受けて、自民党の次の総裁は福田と言うことになりそうな感じだ。

しかし、なんというか、安倍ちゃんを無責任と悪し様に罵倒する姿には少なからず嫌悪感を覚えた。
確かにこのタイミングでの辞意表明は無責任だと思うし奇行の類なんだろうけど、これほどまでに言われなければならないかと思うと相当気の毒に思える。

安倍内閣は特に目立った失政はなかったと考えている。
ただ、年金問題にしても、閣僚の相次ぐ不祥事にしても、政治とカネの問題にしても、その時のトップが安倍ちゃんだからといって、ことさらここまで責められねばならないのかと思うと疑問を感じる。まぁ、リーダーとしての資質がどーだったのか。と言われると、今は極力口を噤みたいのだが。

リーダーとしての資質を問題にするならば、小泉さんは上手かった。
例えば田中真紀子外相の首を切るときと、故松岡元農相の時とを比べると、まぁ、直接の比較はできないのだろうけど、切るタイミングが悪ければ両方とも 「しっぽ切りだ」と言われる状況ではあったと思う。だから、小泉さんも安倍ちゃんも自らの任命責任を回避しなかったわけだけど、小泉さんは切っても 「しっぽ切り」 と言われない状況を上手く作って首を切ったが、安倍ちゃんはそうはできなかった。
頑なに守って、結局それが松岡元農相を追いつめたのかも知れない。結果的には最悪の結果になってしまったが、政治家としての評価、リーダーとしての資質云々を別にすれば、最後の最後まで頑なに守った姿勢は人間的には評価しても良いのだろうとは思う。結果的にその人の良さは最悪の結果を招来させてしまったが。
己の利害ばかりを勘定して人を使い捨てにするよりは、それがお坊ちゃんと呼ばれようがなんと言われようが、遙かにマシである。結果的に最悪の結果を招いてしまったが、「結果論だから」 という言い訳が許されるならば、あの状況下で、頑なに守ると言うのも誰でもできることではないような気がする。
結果がどうあれ、頑なに守ったあの姿勢には、ある種の高潔さを感じないわけでもないのだが・・・。

もちろん、あのとき安倍ちゃんが、首を切ることの方がデミリットが大きいと利害を考えていた可能性はないわけではないのだろうが、垣間見える、あの生真面目さとかから考えるに、利害で動いていたわけではなかろうなと。

もちろん、責任は結果に対して課せられるモノだから、「守った姿勢」 を評価することと、結果に対して批判することは全く別問題であることは、一応明記しておきますけど。

まぁ、私個人のそこら辺の考え方とか、年金問題は安倍ちゃん一人の責任じゃねぇーしという考えとか、そー言うのを総合的に判断すると、結局、リーダーとか首相としての資質の問題はともかくとして、ここまで悪し様に非難することに、何で気が引けないんだろう？と多少思ってしまう。マスコミの人たちはともかくとして。

いかにも生真面目と感じられる安倍ちゃんの人柄から察するに、今回の辞意表明の是非は横に置いて置くことが許されるならば、無責任と言うより、突然 「焼き切れちゃった」 とか 「心が折れた」 という表現の方が適切な気がするし、それはリーダーとか首相の資質としては問題があるだろうけど、安倍ちゃんの人間性を勘案した上で、体まで壊して疲れ切った人に言う言葉としては 「そりゃねぇーだろ」 とか思う。

おいらは武士じゃねぇーけど、武士の情けとでも言うのだろうか、安倍ちゃんの失敗と、安倍批判の量を比較すると、「いや、そんなに言うことないだろう」 と思ってしまう。批判するにしても何にしても、「お疲れさまでした」 の一言を口にする余裕は持てないモノだろうかと思うと、なんか寒々しい感じになる。

世知辛い世の中ですなぁ〜